日常でご自身が使用する歯磨剤にはどのような「成分」が入っているか意識した事はありますか?
裏面の欄を見てみると必ず成分欄があり「基本成分」と「薬用成分」が記載されていると思います。
今回は代表的な基本成分と薬用成分の役割を紹介します。
基本成分
・清掃剤(研磨剤)
働き:歯の表面を傷つけずにプラークやステインなどの歯の表面の汚れを落とす。
主成分:リン酸水素カルシウム、水酸化アルミニウム、無水ケイ酸、炭酸カルシウム
・湿潤剤
働き:歯磨剤に適度の湿り気を与える。
主成分:グリセリン、ソルビトール
・発泡剤
働き:口の中に歯磨剤を拡散させて洗浄し、汚れを除去する。
主成分:ラウリル硫酸ナトリウム
・粘結剤
働き:粉体と液体成分とを結合させ、保型性を与えたり、適度の粘性を与える。
主成分:カルボキシメチルセルロスナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン
・香味剤
働き:香味の調和を図る。爽快感と香りをつけ、歯磨剤を使いやすくする。
主成分:サッカリンナトリウム、メントール、ミント類
・保存料
働き:変質を防ぐ。
主成分:安息香酸ナトリウム
薬効成分
・齲蝕(虫歯)予防
主成分:モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化ナトリウム
役割:歯質強化、石灰化の促進、酸酸性の抑制
*塗布した瞬間からフッ化物イオンが歯の表面に作用するため、齲蝕予防効果はモノフルオロリン酸ナトリウムよりフッ化ナトリウムの方が高くモノフルオロリン酸ナトリウムより、フッ化ナトリウム配合のもののほうがオススメです。
モノフルオロリン酸ナトリウムは唾液の作用でゆっくりフッ化物イオンに変化するので、小さい子に安全に使用できます。
・歯周病(歯肉炎・歯周炎)予防
主成分:塩化クロルヘキシジン、塩化セチルピリジニウム(CPC)、塩化ベンザルコニウム、トラネキサム酸、グリチルリチン酸ジカリウム、β-グリチルリチン酸、ε-アミノカプロン酸、ビタミンE、塩化ナトリウム、トリクロサン、IPMP(イソプロピルメチルフェノール)オウバクエキス
役割
出血予防:トラネキサム酸
抗炎症作用:グリチルリチン酸ジカリウム、β-グリチルリチン酸、ε-アミノカプロン酸
殺菌作用:塩化クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、IPMP(イソプロピルメチルフェノール)、
塩化セチルピリジニウム(CPC)、トリクロサン
収れん(歯肉のひきしめ)作用:塩化ナトリウム、オウバクエキス、アラントイン
血行作用:ビタミンE
・プラーク除去
主成分:デキストラナーゼ
役割:プラークの分解
・歯石予防
主成分:ポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ゼオライト
役割:歯石沈着抑制
・知覚過敏抑制
主成分:乳酸アルミニウム、硝酸カリウム
役割
象牙細管の封鎖 乳酸アルミニウム
刺激の伝達を防ぐ 硝酸カリウム
・タバコのヤニ除去
主成分:ポリエチレングリコール
役割:歯のヤニを溶かす
日頃から愛用している歯磨剤の成分の意味を知ると歯磨剤選びも楽しくなりませんか?
でも自分で色々と考えるのは面倒くさい、今の自分に適した歯磨剤を知りたいなどの場合は当院のプロに聞いて頂ければと思います。
各種歯磨剤取り扱いがあり、スタッフに歯磨きマニアもいます。ぜひ聞いて下さい。
萩野 貴磨